ここには、しあわせがつまっている。
放送作家としても活躍するきたむらけんじの代表作として2009年の初演以来上演を重ねる『幸福な職場』が、新キャストを迎え上演決定!新たなエピソードを加えてパワーアップして世田谷パブリックシアターに登場!
昭和34年(1959年)ブラック企業も派遣切りもなかった時代、
とある町工場の実話をベースにした幸福なストーリー。


父親が病気に倒れたため、急遽、会社を継ぐことになった大森泰弘(安西慎太郎)。その会社は黒板で使う“チョーク”のトップメーカーだった。慣れない経営に四苦八苦する毎日。そんなある日、養護学校の女性教師・佐々木友枝(馬渕英里何)が「来年卒業する生徒を雇ってもらえませんか?」と訪ねてくる。

養護学校の生徒とは、つまり、知的障害者。「そんな事情を持つ子を受け入れる自信がない」と断る大森。しかし、従業員の久我省一(谷口賢志)が何故か熱心に受け入れを勧めてくるので「職業体験」として期間限定で受け入れることを渋々と承諾し、知的障害を持つ少女、吉岡聡美(前島亜美)が工場にやってくる。

「うちの会社にそんな余裕は無いはずだ!」と従業員・原田亮輔(松田凌)は反発するのだが…その原田に聡美はほのかな想いを寄せ始める。聡美のために、簡単な作業を任せるのだが、仕事覚えの遅い聡美に、とうとうイラだちを隠せなくなる大森。

その様子を観ていた徳凛寺の住職(中嶋しゅう)は、大森に対して「人間の幸せ」とは何か?働くこと、働かせることの真理を語る。この説法をキッカケに大森は、ささやかな奇跡を呼び寄せることになる・・。

ありふれた職場に生まれた小さな「奇跡」と「幸福」。どこの職場でも起こりうる、ささやかな人間ドラマをお届けします。